実際にはブラックリストではなくて金融事故情報
ブラックリストについて、実際に見た事はないけれども多くの人が認識している存在ではないでしょうか。よく借金をする時に、ブラックだと借りれないとか、悪質な業者が顧客を呼び込むのにブラックでも融資可能などといった文言で宣伝する事すらあります。
実際にこのブラックリストはどういうものなのでしょうか。無人の契約機やインターネットなどで簡単に入会できてしまうキャッシングですが、契約前には必ず審査を行っています。住宅ローンなどの大きな額の融資を受けた人なら経験があるかもしれませんが、融資の審査というのはとても厳しいもので、条件に合わなければ容赦なく落ちてしまいます。
一度落ちてしまえばしばらく新たな審査には通りにくくなりますし、なにかと神経をつかうものです。キャッシングの審査は早いと30分程度で終わってしまうので、同じ融資でも住宅ローン等とは大違いだと思うかもしれませんが、どちらも必ず調査している項目があります。
それが個人信用情報です。いわゆるブラックリストと多くの人が認識している項目はこの信用情報におさめられている記録なのです。金融機関での融資の際には、必ず審査があります。そしてその審査の際には国内に3つある信用情報機関のいずれかに照会が行われる事になります。
ですから、「ブラックリスト」という名のものは存在しませんが、個人の借金の状況、返済実績などは全て記録されており、過去に万が一金融事故を起こしていればその記録もしっかりと残っているのです。
どうしたら金融事故になるの
個人信用情報は、本人であれば自由に見る事ができるものです。審査の際も、本人が見る事を同意した状態で申し込みをしていますので、相手の会社側も閲覧する事が可能なわけです。ここで記載されているのは、現在抱えているローンというローン全てについての詳細です。
いつどこの会社や銀行でいくら借り入れて、毎月いくら返済しているのか、きちんと遅れなく返済しているのか、クレジットカードの利用状況はどうなのか、キャッシング枠はいくらあるのかなどについて、過去数年にさかのぼって確認する事ができるのです。返済も毎月単位で状況を見る事ができます。あまり見慣れていなくても良く分かるぐらいにはっきりと詳細に記されています。
例えばキャッシングの延滞をしたとします。一度の延滞でもそれは延滞にかわりはありませんので、キャッシング会社の中の履歴としては延滞情報としてずっと残る事になるでしょう。ですが故意ではなく、返済能力がないわけでもない中でうっかり延滞してしまった場合にもすぐに金融事故となるかといえば、そうではない事がほとんどです。
そのような場合にはすぐに返済をすれば、信用情報の方へ情報が行ってしまうという事は回避できるでしょう。ただし、それが何度も繰り返されたり、延滞が3か月続いていたりすると金融事故情報として記録がしっかりと残ってしまう事になります。
一度信用情報に事故情報が載ってしまうと、自分で想像している以上に日常生活に影響が及ぶ事になります。新たな融資はもちろん無理ですし、クレジットカードも作れません。カードはしばらく使えたとしても、更新の時にストップになってしまうでしょう。
いわば一切の借り入れができず、収入の範囲でのみの生活しかできなくなるという事態が生じるのです。これが世間で言うところのブラックリスト入りです。
一度事故になったら一生無理なのか
では金融事故を起こしてしまったら一生借金ができないのでしょうか。結論から言えば、それは大丈夫です。事故情報はそのもとになった原因にもよりますが、キャッシングの延滞等の事故なのであれば数年後にはその情報は消えます。
そうすればまた以前と同様に融資を受ける事ができるようになります。ですから、一度事故になったらもうダメだという事にはなりませんが、やはり不便な生活が続く事には変わりありませんので、日頃からきちんと返済をするようにしましょう。